書写力の分析・綜合的評定法の有効性について、4つの実験が行なわれた。それによると、とくに見本尺度を用いて行なう場合は、再評定との一致度、専門家の評定との一致度、異る被験者同志の一致度が、ある程度以上の熟練者にはいずれも高い。かくて、信頼度、妥当性、客観性の高いことが、本研究では一部確かめられた。また、9段階評定を行なう場合には、9段階の見本尺度はすぐれているが、その偶数番目の書写見本をのぞいた5段階見本尺度にも、かなり高い信頼性がある。