(1) サツマイモペースト,脱脂粉乳,水を混合して乳酸発酵させたサツマイモヨーグルトを開発した.そして,色調が良好なサツマイモヨーグルトを製造するため,IFOから乳酸菌11株を入手して,スターター用乳酸菌の選抜を行った. (2) 肉色が橙色のベニハヤト及び黄白色の高系14号を用いたサツマイモヨーグルトでは,製品の色調に対する乳酸菌の影響はなかった. (3) 肉色が紫色の山川紫を用いたサツマイモヨーグルトの色調は,アントシアニンの残存量に応じて濃くなり,アントシアニンを分解しないIFO13953及びIFO13957を用いたヨーグルトは,鮮やかな濃赤色の色調を示した.一方,アントシアニンの分解能が高いIFO3425及びIFO3533を用いたヨーグルトは,淡桃色の色調を示した. (4) 以上のことから,アントシアニンを分解しないIFO13953( Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus )及びIFO13957( Streptococcus salivarius subsp. thermophilus )の2乳酸菌をスターターとして使用すれば,サツマイモの種類にかかわらず色調が良好なサツマイモヨーグルトが製造できる.