本研究ではジャガイモ塊茎の発芽処理,嫌気的条件下(窒素置換,各種水溶液への浸漬),凍結処理,および塊茎の摩砕等の処理によるGABA含量の変化について検討を行った. (1)ジャガイモを塊茎の状態のままGABAを増加させる方法である発芽処理では1.3倍程度した.芽中には少なからずグリコアルカロイドが含まれるため,取り除くことが好ましいと考えている.また,各嫌気処理,ストレス負荷処理では,約2~3倍のGABAの増加が確認できた. (2)ジャガイモを塊茎の状態で維持する必要が無い場合,塊茎の摩砕処理によって約2~3倍のGABAの増加が確認できた.また,単位時間あたりのGABAの増加は7.7mg/100g/hであった. (3)嫌気処理,および摩砕処理ともジャガイモ塊茎中のGABAを増加させる至適温度は35℃であった.