本研究ではセルフ・モニタリングの調整効果に注目し,セルフ・モニタリングと神経症傾向が就労者の職務満足感と組織市民行動に及ぼす影響を検討した。調査対象者は日本の運輸企業に勤務する133名(男性123名,女性10名),平均年齢は38.02歳( SD =10.27)であった。従来の研究では,神経症傾向が高い就労者は職務満足感や組織市民行動が低いとされてきた。しかしながら本研究の結果,セルフ・モニタリングが高い就労者においては,神経症傾向が高くとも神経症傾向が低い就労者と同程度の職務満足感や組織市民行動が確認された。