1.京都大学演習林本部試験地植栽のメタセコイア,スギに対してジベレリンの影響を見る実験を行つた。 2.試験の目的はジベレリンが伸長にどのように影響するかを調査するうち,雄花と雌花の開花をみたので,着花状況と花粉の稔性について調査した。 3.スギ,メタセコイアとも雌花,雄花が多数開花し, 500, 50, 0ppmの濃度による差は認められた。 4.花粉稔性については酷酸カーミンで染色した結果,よく染まつた。 5.花粉の発芽率,伸長量の濃度による有意の差は,ばらつきが大きく認められなかつた。 6. 500ppm区では花粉管の機能に異常がみられた。 7.本実験の範囲内では,着花数の差は認められたが,ジベレリンの効用持続期間については,明らかな証明が少ないので花粉まで影響があつたかどうかは更に研究を必要とする。